植物 と 絵本
―ピンチをチャンスに変えるちから
娘たちが体調を崩してバタバタしている間にもう7月がきました。
夏休みももうすぐですね。
ベランダでは娘のリクエストで植えたひまわりが長過ぎる梅雨に負けまいと大きく育っています。
今日はそんな夏休みも間近な今、ぐんぐん育つ植物を見ながら読みたい絵本です。
はちうえはぼくにまかせて
※所要時間8分程度
※3~4才からおすすめ
■あらすじ
夏休み、おとうさんの仕事が忙しくてどこへも行けないトミー。旅行する人たちの鉢植えを預かることにします。おとうさんとおかあさんは鉢植えだらけのお家にびっくり。
トミーのお陰でどんどん大きくなる植物たち。トミーの夏休みはどうなるのか…?
今年の夏も外出しづらい日々が続きますが、トミーの行動、発想の転換に明るい気持ちになれる絵本です。
■深堀り読書感想文
(※結末を含む場合があります。)
この話で最も印象的なのが鉢植えを預かる際、トミーがきちんと代金をもらっているという点。私にはこの発想はありませんでした。
自分の好きなことをビジネスとして成り立たせること、責任を持って遂行することがシンプルにサラリと描かれており好感がもてます。
また、さわやかな絵も魅力的です。ジャングルのような部屋の中、森の中の小さな湖のようなお風呂…憧れちゃいます。ガーデニング好きな方にもおすすめですよ。
推薦図書として何度も選ばれてきたこの絵本、ぜひ読んでみてください。
あめ と 絵本(そのさん)
ー雨の後に架かるもの
今日紹介する絵本は雨の日の遠足のお話です。
雨の日に遠足だなんてなんだか残念な感じがしますが、忘れていけないのが雨のあとに訪れる素敵なモノです。
あめのひのえんそく
※2から3才頃からおすすめ
※所要時間5分程度
■あらすじ
今日は待ちに待った遠足の日は残念ながら雨。雨が止むことを祈って大きなバスでぶどう狩りへ向かいます。
トンネルを通るたびに見えてくるきれいな景色。紅葉に楓、田んぼに牧場…。
最後には大人もなるほどね~!と笑顔になる仕掛けが隠されています。
秋の自然が描かれていますが、梅雨のこの季節にも是非読んでほしい絵本です。
■好きすぎポイント
ページをめくるたびに現れる美しい景色に癒やされます。文章は少なめなので、その分ゆっくりと絵を楽しむことができます。
我が娘の遠足は何故かいつも雨になりがちで、たいてい予備日を使い果たしてギリギリ曇りの日に遠足。というのはザラなんです。笑
そんな娘に読んであげたいと思った絵本でした。嫌な雨だけど、いいこともあるよねと思える優しいお話、是非読んでみてください。
☆ガーデニングが捗るこの季節。次はお庭をテーマにした絵本を紹介します。
あめ と 絵本(そのに)
―雨模様、傘模様
今年はとにかく梅雨が長い!(こちら関西では5月中旬からずっと梅雨です。)
だからこそ、雨に関係する絵本を読む機会も増えたような気がします。
大人たちがうんざりする雨の日でも子どもたちって案外喜んでいたりしますよね。
特に我が娘は雨の日の傘が大好きなようです。今日はそんな傘のお話。
かさの女王さま
※3から4才頃からおすすめ
※所要時間7分程度
■あらすじ
かさづくりが盛んなタイのある村。毎年お正月には、傘に村いちばんの絵付けをした女の人が「かさの女王さま」に選ばれます。
傘には決まって花と蝶が描かれることになっていました。
おかあさんに教わりながら初めて絵付けをしたヌットはとても上手に傘を仕上げます。しかし、どうしても大好きなゾウを描きたくなって…。
異国情緒あふれるかわいらしい絵で描かれたお話です。
優しいストーリーがとても魅力的ですよ。
■好きすぎポイント
ヌットは売り物の傘についついゾウをかいてしまい、おとうさんから注意されます。
そうして初めて絵付けが「あそび」ではなく「しごと」であると気づくのです。ヌットはそれから毎日、花とチョウを描いて「しごと」の傘を描きました。
でも、ヌットは夕方の自分の時間になるとあまった材料で傘を作り、ゾウの絵を描いて楽しむことも忘れなかったのです。
ここにはヌットの成長が描かれているのはもちろん、元来自分がもっている興味や好きなことを諦めず大切にするという素敵なメッセージも感じられます。
タイのボーサーンという村ではサ―という伝統工芸品の傘があり、実際にお祭りも開催されるそうです。
調べてみるとこの絵本に登場するような花とチョウの美しい傘がたくさんありました。
☆次も雨の絵本…梅雨はようやく折り返し地点!?
ペク・ヒナさんの絵本(そのよん)
今回で一旦、ペク・ヒナさんの絵本紹介は最後です。
(新作も出ているようなので読んだらまた紹介したいと思います!)
彼女の代表作と言われているこの絵本です。
天女銭湯
※3~4才ごろからおすすめ
※所要時間5分程度
■あらすじ
おかあちゃんがいつも連れて行ってくれる長寿湯。
泣かずにあかすりしたら、ヤクルトひとつこうてもらえるねん。
お気に入りはなんといっても水風呂。
楽しく水遊びしていると、どこからか天女のばあちゃんが現れた!
不思議な天女のばあちゃんとドッチの触れ合いをコミカルに描いたお話。
登場人物たちの魅力的な表情も見どころです。
■好きすぎポイント
ペク・ヒナさんの作品によく出てくるのが、なんだかわからない不思議な登場人物。
人間ではなく、神様?のような存在。だけど、その表情はとっても人間らしくて親しみ深いんです。まるで本当に存在するかのような…。
このお話は他のものと違い実際に韓国にある銭湯で撮影されたそうで、背景がより作品に臨場感を与えています。
何回見ても飽きない夢のある絵本です。是非読んでみてください。
☆もうしばらく続きそうな梅雨…次はまた雨のお話を紹介します!
ペク・ヒナさんの絵本(そのさん)
今日紹介するのは あのお話 に登場していた あの方 が主人公です。
■ぼくは犬や
※3~4才ごろからおすすめ
※所要時間5分程度
『あめだま』に登場していい味をだしていたドンドンの相棒、グスリの日常を描いたお話です。
お留守番をしたり、お散歩をしたり、おとうちゃんに叱られたり…。
グスリの意外な一面が見られるかも?最後にはドンドンとの暖かい関係性にほっこりする絵本です。
■好きすぎポイント
娘が大ハマリしたのがグスリの兄弟たちが出てくる見開きページでした。
なんと総勢29匹(おかあさん犬を合わせると30匹)。
一匹一匹が愛らしくて特徴があり、見応えありです。
子犬の頃もらわれてきたグスリ、ドンドンとはまるで本当の兄弟のよう。
おとうちゃんに叱られた夜、グスリのもとへやってきたドンドン。暗闇にちょこんと立つドンドンの姿にグッときます。
そこに言葉はなくても、寄り添うだけで通じあうそんな絆を感じます。
☆次回はいよいよ代表作、天女銭湯!
ペク・ヒナさんの絵本(そのに)
木曜日に引き続きペク・ヒナさんの絵本を紹介します。
次女のお昼寝が少なくてなかなか更新できない日々です…
・おかしなおきゃくさま
※3~4才ごろからおすすめ
※所要時間 5分程度
雨の日のお留守番。家にはおねえちゃんとぼくだけ。
だけどおねえちゃんはぼくに構ってくれません。
『ぼくの ことが だいすきで いつも いっしょに いる
おとうとが ほしかったよ』
そんなことを考えていると、どこからかおにいちゃんと呼ぶ声が。
突然現れた不思議な男の子チョン・ダルノクが次々と起こす現象にワクワクが止まらないお話です。
【好きすぎポイント】
天女かあさんと同様、卵と天気が物語のキーポイントになっています。
(韓国語で韻を踏んでいたり、何か言い伝えがあったりするのかな…?)
もしかしたら天女かあさんの息子がチョン・ダルノクだったりして…?と思わず関連性を考えてしまいますね。
ダルノクの振る舞いを見ていると、まさにイヤイヤ期だった頃の長女のようです…w
そんなダルノクに振り回されてぼくとおねえちゃんはヘトヘトになるのですが、最後ダルノクを見送ったあとすぐに二人はダルノクが恋しくなるのです。
我が家の長女も同じで、妹に振り回されても最後にはかわいさが勝ってなんでも許してしまうようです。末子のメリットなのか…でも、上の子たちもその存在のお陰で大きく成長していることを忘れてはいけませんね。
ちなみにこの絵本だけ長谷川義史さんではなく中川ひろたかさんの訳で標準語です。
関西弁じゃないペク・ヒナさんの絵本、これもまた優しい雰囲気で素敵ですよ。
☆もう少し続くよ!ペク・ヒナさんの絵本紹介!
ペク・ヒナさんの絵本
―愛らしい表情
先週ご紹介したペク・ヒナさんの絵本『あめだま』。
長女(4)がドハマリ中です。
…紹介記事はこちら↓
myfavorite-books.hatenadiary.com
私が読まなくても机に座って一人でじーっと眺めております。
こんなことなかなかありません!
とても魅力的な表情の登場人物たち。リアルな風景。
それらは、人形、背景セットを制作し撮影されたものです。
一つ一つのカットが美術作品であり、ストップモーションアニメを思い起こさせる
どこか懐かしい雰囲気に心を鷲掴みにされます。
ということで、今日は素晴らしい表情が魅力のこの絵本を紹介します。
・天女かあさん
※3~4才ごろからおすすめ
※所要時間 5分~8分程度
その日はソウルでとんでもない雨が降った日。ホホは熱で学校を早引きです。
お仕事中のかあさんがホホの看病をお願いしたのはおばあちゃん…じゃなかった!
「へんてこな かあさん」のへんてこな看病はどうなってしまうのか?
最後までワクワクが止まらないお話です。
【好きすぎポイント】
お部屋の湿度を上げるために「へんてこなかあさん」が白い雲を作ってくれるんです。その作り方がとにかくかわいいんです!
もしかしてこうやったら私でも白い雲が作れるかも…?なんて考えて楽しくなります。
目玉焼きを作っている姿もかわいいです。
特に左手がピン!としているところ…おっとこれは細かすぎますねw
訳はもちろん長谷川義史さん。淡々としているようで、愛情深い関西弁。大好きです。初めて会ったはずなのになぜかホッとしてしまう。
そんな人物像が見事に表現されています。
☆明日も引き続きペク・ヒナさんの絵本を紹介します。